ゆるぽか内観法

ゆるぽか内観法とは?

ドイツの「自律訓練法」と日本の「軟酥なんその法ほう
2つの、いいとこ取りが「ゆるぽか内観法ないかんほう

  1. 心が落ち着き
  2. 疲れた脳が休息状態となり
  3. 自律神経のバランスが整うことで
  4. 内臓の調子が調い
  5. 血流がアップ
  • ゆるぽか内観法」とは……。ドイツの「自律訓練法」と日本の「軟酥(なんそ)の法」の共通点を生かし、現代の日本に合った方法として、岩田明子が考案したイメージ療法です。

ドイツの第一人者(医師)の下で「自律訓練法」を学び、「軟酥の法」を研究することで、この2つの療法の共通性に気づき、現代の日本人に合った方法を導き出しました。

  • 「軟酥の法」とは……。江戸時代のお坊さん・白隠禅師が、座禅を深く追求するあまりノイローゼにかかり、極度の神経疲労から回復するときに実践した内観法。

「軟酥の法」は「軟酥」という「バターの溶けたような液体」が頭の上から流れ落ちていくのをイメージしながら気をしずめ、心を落ち着かせることで、心と身体のバランスをとっていく古くからある「養生法」です。

この方法で、白隠禅師自身が若いころ苦しんでいた症状(頭痛・めまい・悪夢・食欲不振・ノイローゼ状態・手足腰の冷えなど)を直すことができたことから、後に弟子や大名、農民や商人にいたるまで様々な人たちに伝授したと言われています。

この養生法は『夜船閑話』『遠羅天釜』に紹介されており、海外にも紹介されています。

白隠禅師による禅画

白隠禅師による禅画

岩田明子による“ゆるぽか内観法”

「ゆるぽか内観法」は、「自律訓練法」と「イメージ療法」(軟酥の法)、そして日本語の特徴である擬態語(土着の大和語)を用いた「脳の休息法」です。

ゆるぽか内観法は音声データを聞く方法で行われます。定期的に音声データを聞くことで「自律神経のトレーニング」にもなっています。

「自律訓練法」の標準訓練のもとになっている大脳生理学の知識に従って、次のように3つの段階から作られています。

  1. 心の落ち着きのための練習
  2. 全身の筋肉の緊張を溶かすための練習
  3. 全身にはりめぐらされている毛細血管を拡げて血流アップするための練習

擬態語:日本土着の言葉

「ゆるぽか内観法」は日本人による、日本人のための心理療法です。

「自律訓練法」と「軟酥の法」を結び付けているのが日本語の特徴である「擬態語」です。

日本語は、漢字と仮名(和語)から成り立っていますが、和語のなかには土着の「擬態語」のグループが含まれています。

擬態語や擬音語をまとめて「オノマトペ」とも表現しますが、日本語は他の言語に比べてオノマトペが占める割合がたいへん多く、いまや日本文化の伝統ともいえるマンガにも頻繁に使用されていることで有名です。

擬態語のなかには “ぽかぽか”陽気、“じとじと”した一日、など天候の様子や湿気の度合いをあらわすものや、「ザーザー」「しとしと」といったように雨の降り方を表現したものもあります。

そしてこの言葉をきいたとたん、一瞬にして頭に浮かぶ情景や、雨の降水量のイメージが変わります。擬態語の特徴は、それを聞いたとたん「臨場感」を感じることができる点にあるのです。

擬態語や擬音語はたった一言で、その場の「心に浮かぶイメージ」や「身体感覚」が立ち現れることから、「イメージ言語」「感覚言語」として強い作用を私たちにもたらすわけです。

この日本人独特の擬態語がもつ特徴を取り入れたのが「ゆるぽか内観法」です。

この「ゆるぽか内観法」は、軟酥の法から受け継いで、液状のものが頭の上からわたしたちの身体に流れ落ちるイメージのなかで行われますが、そのときに「とろとろ」「ゆるゆる」「ぽかぽか」といった擬態語を活用します。

温かな液体が「とろとろ」と心身に流れ、浸み込んでいくにしたがって、緊張していた筋肉が「ゆるゆる」とゆるまり、最終的に身体全体に張り巡らされている毛細血管がゆるまって「ぽかぽか」した状態になるまでのプロセスを何度も体験していただきます。

イメージ療法としての特徴

ゆるぽか内観法の内容は、気持ちのよいイメージを思い描きながら、脳を休憩状態に誘い、副交感神経を活性化させ、自律神経系のバランスを整えていくことを目指して公案されています。

ゆるぽか内観法は、「軟酥の法」というイメージ療法の技法を受け継いでいます。

「軟酥の法」においては、軟酥というバターが溶けたものをイメージしながら行いますが、「ゆるぽか内観法」において、その液状のものは「万能薬」のはたきを持たせます。

落ち着きをとりもどしたい方の場合は「鎮静剤」を、痛みを緩和したい方は「鎮痛剤」を…というように、自由に効力をもたせ、それが筋肉や骨、血管などの細胞に浸みこみ、働いてくれるのをイメージしていきます。

実際に、ガン治療の際にイメージ療法が活用させることがあるように(サイモントン療法など)、イメージの力によって肉体レベルの働きを変化させることができることがわかっています。

イメージの力でがん細胞を消滅させることができるのであれば、筋肉のコリや緊張、それに伴う痛みであれば、イメージの練習を重ねることで、症状を緩和させることができないはずはありません。

そこで、「ゆるぽか内観法」では、ご自分の症状に効力を発揮するであろう「薬」をイメージしていただき、それを液状のものに含ませ、体内に浸み込ませていきます。

脳の休息を人工的に作る

また、「自律訓練法」は、最終的に練習者が完全な主体となって練習を行いますが、この「ゆるぽか内観法」は、音声データの誘導に完全に身を任せながら、「脳の休息状態」を人工的に作ることで、「身体内部の変容」を促すスタイルのイメージ療法となります。

脱力がうまくできない方、緊張をしないようにしようとすると緊張してしまう方、自律訓練法の「重感練習」のコツがうまくつかめない方にもお勧めしています。

セッションにおいて練習を行いますが、ご自宅で練習を行いたい方には音声データをお渡ししております。

定期的に「ゆるぽか内観法」のセミナーも開催する予定です。